万引き家族の中にある非日常の中に現れた違和感を日常とは呼べず、はたまた非日常にも溶け込まず混在する不自然さ。

映画大好き美容師 松岡です。

先日、観てきました。

『万引き家族』

カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した是枝裕和監督の作品。

感想を全部喋っちゃうとネタバレになるので今日は作品の『あるワンシーン』についてお話ししようと思います。

まずタイトルが『万引き家族』なんで家族で万引きしてるんだな、って言うのは観る前からなんとなく想像できますよね?

で、この家族なんやかんや楽しそうに暮らしてるんですが、みんなで海水浴に行くんです。

血が繋がってない万引き家族が普通の家族のするような海水浴に行くところは、なんだか〝この幸せが長くは続かないように〟感じさせられてなんだか儚げなわけです。

自然でありたいと思う家族達の不自然さ。

これはとても良いシーンでした。

しかし、ここにとんでもない伏兵が潜んでいたのです。

そう、それは

『松岡茉優さんの腹筋』です。

みんな、万引きして暮らしているような家族なんです。

日々の生活もきっと大変です。

なのに、松岡茉優さんの腹筋は

『バキバキに割れている』んです。

もう、ほんまバキバキです。

グラップラー刃牙に出でくるんじゃないかレベルにバキバキでした。

このシーンでこの腹筋を観て

『あぁ、この女の子はこんな大変な家庭環境の中で暮らしてるのに腹筋までこんな見事に鍛え上げていて、なんて偉いんだろう…』

と、感じる人が何人いるのだろうか。

不自然な家族が自然を装い楽しむ海水浴に現れた異なる次元の不自然なシックスパック。

それはまるで、大富豪の娘の友達の家に遊びに行ったら、家が明治時代から続く大きな日本古来の屋敷で、お邪魔したらお母様が出できたんだけどお母様がめっちゃ鼻の高いフランス人でしかも喋ると京都弁だった、みたいな。

もうバックボーンを考えるスピードが追いつきません。

なのでバックボーンを考える事を止めるでしょう。

結果、残るのが

『松岡茉優ちゃんは凄い』

なのです。

万引き家族を観るときはどんな腹筋が現れようとも、動じない強い心を持って行きましょう。

でないと、もっていかれます。

映画はとても考えさせる題材で凄くおもしろかったです。


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